たぶん大丈夫なブログ

ちょっとした考察や雑感を述べていきます。

プリキュア尽くしのルポルタージュ② ――プリキュア春映画・舞台挨拶の覚え書き

今日、2017年3月19日(日)はプリキュア尽くしだった。


一つ目は、朝8時30分開始のアニメプリキュア本放送。

二つ目は、昼に観に行った劇場版プリキュア

三つ目は、劇場版プリキュア上映終了後の舞台挨拶。


奇しくも構成が二年前の記事と重なった。そういうことなら、この記事の冒頭でもあの言葉を唱えよう。


キュアトゥインクル「お覚悟はよろしくて?」



(図1)「プリキュアドリームスターズ!」のイメージイラスト。プリキュアの皆でお花見をしている光景はまるでエルドラド―黄金郷―。画像は「『映画プリキュアドリームスターズ!』ピンクプリキュア3世代が集結 | アニメイトタイムズ」の記事より引用。



目次





(冒頭だけ常体にして、以下は敬体で書くことでノーブルな文章を心掛けてみます。)


一つ目、プリキュアのアニメ本編について

今週のキラキラ☆プリキュアアラモードは、プリキュアの5人が一通り出揃った後の妖精回。妖精のペコリン(と長老)の悲しい過去が語られます。長老が幽霊のような身体になってしまった理由も今回で判明。ハートキャッチプリキュア!のコロンのような状況の再来ではなかったのがせめてもの救いでしょうか。

今回の見どころは何と言ってもペコリン。ベテラン声優・かないみかさんの熱演が光ります。ペコリンが過去を思い出して声を震わせたときはこちらまで涙が出そうになりました。幼い頃に観ていたアニメ・ポケットモンスターのプリンやチコリータから、現在のキラプリのペコリンまで、かないみかさんの声を聞いて育ってきたと言っても過言ではないのかもしれません。

そして忘れてはならないのが、無事邂逅を果たした高校生組。ツイッターのゆかりとあきらの二人の画像を見ているとまるでカップル……もはや夫婦のようです。

今作では中学生組と高校生組が3:2で分かれており、今後キャラクターがどのように動いていくのか、どのような化学反応が起こるのか未知数だというのも楽しみの一つです。

ただ、今回の記事で述べたい内容はアニメ本編というよりも残りの二つについてなので、この辺りで話を切り上げて次の項目へと進みましょう。


二つ目、映画「映画プリキュアドリームスターズ!」について

(映画の全体的な感想は、日頃から逐一チェックしているプリキュア関連のブログの一記事「映画プリキュアドリームスターズ!感想(ネタバレなし) - プリキュアの数字ブログ」に上手くまとめられているので参考になります。)


www.youtube.com
プリキュア公式YouTubeチャンネル」に投稿された「映画プリキュアドリームスターズ!」の予告編ムービー。予告編を観て湧き上がるワクワク感は本編でも裏切りません。


今回のプリキュア春映画「プリキュアドリームスターズ!」に関してまず指摘しておかなければならないのが、手描きの2DとCGの3Dの接続が見事だということです。

今作の監督を務めた宮本浩史さんへのインタビュー記事(「『プリキュアドリームスターズ!』はアニメの未来を感じられる映画! | アニメイトタイムズ」)にしっかりと書かれているので詳細については省きますが、総作画監督・中谷友紀子さんの艶やかささえ感じさせる美麗な作画と、アニメのエンディングCGダンスでもお馴染みの宮本浩史さんの可愛らしさ溢れるCGアニメーション、その両者が融合しており不自然さを全く感じさせません。上映中の70分間、映像の力にずっと魅了され続けました。


主題歌の2曲についても触れておかなければならないでしょう。

オープニングテーマの「桜MISSION〜プリキュアリレーション〜」を歌うのは、「Go!プリンセスプリキュア」のエンディングテーマ「ドリーミング☆プリンセスプリキュア」「夢は未来への道」や「魔法つかいプリキュア!」のオープニングテーマ「Dokkin♢魔法つかいプリキュア!」を担当した北川理恵さん。Goプリでミュージカルさながらのエレガントな歌唱を見せたかと思えば、まほプリで女児向けアニメらしいキュートな歌い方もこなす北川さんは本当に歌唱の幅が広くてぞっこんなのですが、今作でもその実力が発揮されています。まほプリOPよりもさらに可愛らしさが増した歌い方になっています*1。この楽曲、心の底から大好きです。青木久美子さん作詞、小杉保夫さん作曲のゴールデンコンビは、「ふたりはプリキュア」や「ハピネスチャージプリキュア!」のオープニングテーマも担当しています。そこに、歴代のプリキュアシリーズの劇判音楽を担当した高木洋さんの編曲が加わればもう無敵です。高揚感を醸し出すこの楽曲をリピートしながらこの記事を書くほどです。

エンディングテーマの「君を呼ぶ場所」を歌うのは、映画の登場キャラクター・シズク役も担当した木村佳乃さん。この楽曲がまた素晴らしいんです。作詞の山崎寛子さんは個人的に好きな声優・喜多村英梨さんの楽曲も数多く手掛ける新鋭。作曲・編曲、そして今回は作詞も山崎さんと共同で行っている大久保薫さんはアニメ「ご注文はうさぎですか?」のオープニングテーマ「Daydream cafe」を始めとして数多くの楽曲を手掛ける実力派。この二人が出会えば素晴らしい楽曲が出来上がるに決まっています。映画の感動的なシーンでも流れる重要な楽曲です。


そしてこれまでのプリキュア映画にも言えることですが、ゲスト声優の配役がまた素晴らしいのです。シズクと共に映画に登場するキャラクター・サクラの声を担当するのは阿澄佳奈さん。サクラというキャラクターをただ小さくて可愛いというだけに留まらせない演技が光ります。悪役の鴉天狗を担当する南海キャンディーズ山里亮太さんや赤狗・黄狗のライスのお二人も乗りに乗った演技でした。


あと触れておきたいのは、3世代のプリキュア主演声優にインタビューした「『映画プリキュアドリームスターズ!』ピンクプリキュア3世代が集結 | アニメイトタイムズ」の記事でも述べられていたように、Goプリのゆいちゃんやまほプリの校長先生など、これまでのアニメ本編でのキャラクターが登場するということです。このように過去キャラが再登場する演出は嬉しい限りです。特にゆいちゃんはプリキュアを支える友達というポジションだっただけに、今回も映画に出演したというのを知った時には小躍りしました(そして予告映像でキラプリのあきらさんにゆいちゃんが壁ドンをされているのを観た時はわくわくもんでした)。
またこのインタビューでは、映画でGoプリのトワちゃんとまほプリのはーちゃんが似ていると指摘されるシーンにも触れているのですが、まさに視聴者が思っていたことを代弁してくれたかのようでした。追加戦士、少し常識知らずなところ、圧倒的な強さ、演じている声優さんの立ち位置*2などなど、頷ける部分は多いはずです。


……このペースで語っていると日が暮れてしまいますね。巻いていきましょう。


今回の映画の欠点としてバトルシーンの物足りなさが挙げられるのを目にしました。確かに、例年の春映画での作画監督青山充さんが率いる、40人を超えるプリキュア数の暴力によって繰り広げられる、終盤のボス戦にかけての圧倒的バトル描写はプリキュア春映画の醍醐味と言えるでしょう。今回の映画では殴る蹴るの物理攻撃や光線をぶっ放してラスボスを倒すのではなく、少し変わった手段を用います。しかし戦闘描写自体が減った訳では決してなく、アニメ本編では物理攻撃を封印して話題になった「キラキラ☆プリキュアアラモード」もバトルに参加するなど、見所はたくさんあります。勿論、登場プリキュアが12人へと減ったことによる寂しさは感じますが、それを補う魅力が今作には溢れているはずです。


最後に、欠点ではないのですが個人的に気になった2点を。

一つは、各キャラクターの台詞の数のバランスです。一緒に観に行った先輩とも話したのですが、キュアマーメイドの台詞の少なさがちょっと物足りなかったかなと。12人に減ったとは言え充分大所帯なので一人一人に満足のいく台詞を配分するのは難しいのかなと感じました。

もう一つは、サクラとシズクの下まつ毛です。とりわけ3DCGに顕著なのですが、今作では「目」が重要な役割を果たすだけに下まつ毛部分の黒さが強調されていたのが若干くどく感じてしまいました。


……ここまでつらつらと雑感を述べてきましたが、「プリキュアドリームスターズ!」を無理矢理にでも一言でまとめるならば最高の二文字がぴったりだということを伝えたかった、ただそれのみです。少しでも気になった方は是非劇場へ足を運んでみて下さいね。


(写真1)映画の上映期間に発行される毎回恒例のプリキュア新聞、映画のイラストが描かれた下敷き、映画主題歌のシングルCD。プリキュア映画の三種の神器。パンフレットをうっかり買いそびれてしまったので後日購入しなければ……。


三つ目、舞台挨拶について

プリキュアの映画は「ハピネスチャージプリキュア!」の「ハピネスチャージプリキュア! 人形の国バレリーナ」以来、実際に劇場へ赴いて鑑賞してきたのですが、舞台挨拶を伴った上映は今回が初めてでした。

東京・新宿バルト9では舞台挨拶や最速上映が充実しているのですが、他の都市ではほとんど行われていませんでした(貴重な情報を取りこぼしていたのかもしれませんが)。しかし今回は映画公開初日の東京と名古屋に加え、二日目には京都と大阪でも舞台挨拶が行われるのです。自分の住む大阪の地はプリキュアプリティストアの本店が出店していたり*3プリキュア関連のイベントが頻繁に行われたりと、日本の中ではかなりプリキュア成分に恵まれていると言えるのですが、映画関連のイベントに関してはどうしても東京に遅れをとっていました。それが今回は東京・名古屋・大阪(京都)の三大都市圏に限定されるとは言え、東京一極集中の格差が是正されることになったのです。それに伴い日本各地を巡業する声優さんの負担は大きくなってしまうのですが、これはプリキュアの歴史上の快挙と言えるでしょう。この好機を逃してはならないということでチケットを入手し、今日という日に臨んだのでした。


さて、今回座った席はほとんど一列目ながらも端の方。少し残念に思いましたが前方の座席を確保できただけでも非常にラッキーです。

……このことが後々、大きな奇跡を呼び込むことになろうとは、映画視聴前には全く予想していませんでした。


さて、映画本編のその後の展開を背景にしてエンディングムービーが流れ、上映が終了。映画に心の底から満足しつつ舞台挨拶を今か今かと待っていると、座っている座席近くの関係者以外立ち入り禁止の扉が開き、スタッフらしき人がそこから現れました。さすがにそこから声優さんは出てこないよなぁ、スクリーンの袖から出てくるのかなぁと思っていると……その扉からABCの女性アナウンサーがスタスタと歩いてくるではありませんか(残念ながらお名前を忘れてしまいました、遺憾の極みです)。


あれ?これってひょっとして? そう思ったのもつかの間、アナウンサーの方に続いて例の扉から声優さんも登場するではありませんか!!

こんな!!間近に!!半径5メートル以内に声優さんの姿が!!

キュアホイップ・宇佐美いちかのモチーフの動物である うさぎ に倣って、心もぴょんぴょん跳ねてしまいました。


至近距離で見る声優さんの姿は一言で形容できません。二言でも無理でしょう。美しい、可愛らしい、こんな言葉では物足りません。声優さんから発せられるオーラはどこか違います。まさに今年のプリキュアのキーワード、「キラキラ」と輝いていました。


大阪での舞台挨拶に登場した声優さんは今年のプリキュアキラキラ☆プリキュアアラモード」の中学生組を担当する、宇佐美いちか・キュアホイップ役の美山加恋さん、有栖川ひまり・キュアカスタード役の福原遥さん、立神あおい・キュアジェラート役の村中知さんの3人でした。


声優さんの衣装も映画公開初日の和装*4から洋装へとチェンジしており、それぞれプリキュアのイメージカラーに倣っているのが心を掴みます。

美山加恋さんの衣装はキュアホイップに沿った淡いピンク福原遥さんはキュアカスタードを彷彿とさせるイエロー村中知さんはキュアジェラートらしさ溢れるブルーでした。


舞台挨拶らしく、アナウンサーの方から声優さんに対して幾つか質問がなされました。自分が観に行ったのが映画上映後に行われる舞台挨拶だったということもありネタバレを危惧しなくて良いので本編の展開や台詞もバリバリ登場する中、質問の一つは「映画の中で印象に残った場面・台詞」というものでした(うろ覚えなので多少異なっているかもしれません)。ここで3人の声優さんによる、映画本編の台詞の再演が行われました。

普段は少し抜けたところがあってもここぞという時には頼もしい姿を見せる宇佐美いちか・キュアホイップ、それを芯の通った声で表現する美山加恋さん。

ちょっと引っ込み思案なところがあっても一緒に寄り添う優しさに溢れる有栖川ひまり・キュアカスタード、その姿をはにかみながらもしっかり演技する福原遥さん。

真っ直ぐすぎて躓くことがあってもエネルギッシュな姿勢なら誰にも負けない立神あおい・キュアジェラート*5、ステージの段差に腰かけることで劇中のあおいに同化して全身で再現する村中知さん。

御三方の声優さんの演技をこの身で感じ取りました。プリキュアと声優さんの姿が重なりました。http://news.walkerplus.com/article/103618/」の記事にも書かれている通り、声優さんとそれぞれのキャラクターの姿が重なって目の前に現れました。
この感覚、デジャヴ。着ぐるみきららちゃんのサイン会の再来でした。あの時と異なるのは、アニメや映画で描かれるそれぞれのキャラクターの〈イデア〉が着ぐるみに宿るのではなく、声優さんを依代として具現化されたということです。

声の印象や演技の仕方によって演じているプリキュアのキャラクターがそっくりそのまま再現されているという、至極当然の前提もあります。それでも主張したいのは、声優さんの纏っている雰囲気も含めて(プリキュアの)キャラクターの一部なのだということです。このことをこの身をもって間近で体験できたというだけでも、今回の舞台挨拶での大きな収穫でした。


最後にそれぞれの声優さんについて一言。

まずは美山加恋さん。
可愛らしくも落ち着いた普段の声と、力強さと伸びのある演技の時の声のギャップに驚きました。いちかの声に切り替わる時、美山さんを取り巻く空気も確かに変わったのです。映画も終わり集中力が切れかかって少しざわざわとしていた子供達が、美山さんが演技をする直前になるとしんと静まり返っていたのが印象的でした。自分と同じように、いちかが目の前に現れたのを体感したのではないでしょうか。場の雰囲気を声一つで大きく変えてしまう「声優」という職業の底力を感じました。

次に福原遙さん。
NHKの「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」でまいんちゃんとして活躍していただけあってか、ただただ可愛らしいだけに留まらない、非常に華のある雰囲気の方でした。何より小顔ということもあり、等身が現実離れしていました。実にスタイリッシュです。そして「『映画プリキュアドリームスターズ!』初日舞台挨拶レポ | アニメイトタイムズ」の記事にも書かれているように、舞台挨拶の期間中に高校の卒業式を迎えた福原さん。2017年3月の時点ではまだ高校生です。自分よりも年下でこんなに活躍している方がいるのだと思うと、(お前は何様かと言われそうですが)非常に頼もしく感じました。

最後に村中知さん。
声優さんと演じているキャラクターのイメージがシンクロしていました。溌剌とした雰囲気がぴったり当てはまるのです。先述したように、立神あおい(キュアジェラート)の台詞を再演する際、劇中のあおいと同じように段差に腰掛けて全身で演技をしている姿を見てノックアウトされてしまいました(スカート姿で脚を広げてステージに腰掛けようとした際に共演者の方に少し心配されていたのですが、それを気にせず演技し通したのが印象的でした)。その姿はまさに あおい そのものだったからです。他にも、とある台詞を誰に向けて言おうかなと観客を一人一人つぶさに見ていた瞬間、思わずドキッとしてしまいました。結局、その台詞は劇場の全員に向けられたので、あおいの台詞を言ってもらうという幸福は皆に等しく分配されることになりました。あの時の胸の高鳴りは、台詞を独り占めしてしまいたいというわがままな感情に起因したのかもしれません。


本当に幸せな時間を過ごしました。声優の皆様、遠路はるばる大阪までお越しいただいてありがとうございました。今日の舞台挨拶は、キラキラと輝く一生の宝物です。


(写真2)劇場に立て掛けられた、声優さんのサイン入りポスター。それぞれの個性が一目で分かります。



長々と文章を書いてしまうほどプリキュアに対する思いが溢れてしまいました。

秋映画が上映される時にも声優さんが大阪へ舞台挨拶に来られることがあれば、嬉しさのあまり昇天してしまうかもしれません。その日が来るまでは生き長らえる所存です。


プリキュア、ありがとう。




【附記】
前回の「プリキュア尽くしのルポルタージュ」記事は下記のリンクからどうぞ。
tabunsakatsu.hatenablog.com



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*1:「桜MISSION~プリキュアリレーション~」を歌う北川理恵さんの声質がどこかで聴いたことのあるような感覚を抱いていたのですが、アニメ「てーきゅう」4期のOP「ファッとして桃源郷」を歌う声優・三森すずこさんに似ているのだと気づきました。三森さんも歌唱の幅が広いという共通点がありますね。

*2:キュアスカーレット演じる沢城みゆきさんと、キュアフェリーチェ演じる早見沙織さんは、共に清楚な印象ながら演じる役柄も広く、プラスの意味で使い勝手の良い声優さんだと思います。ここぞ!という役どころに起用しやすいのでしょう。

*3:プリキュアプリティストア大阪本店はつい最近まで、自分が頻繁に利用する梅田駅地下1階の阪急三番街にテナントがあったのですが、2017年2月に天王寺駅近くのあべのキューズモール内へと移転してしまいました。その際に、プリキュア全員大集合のパネルや、歴代のブラック枠プリキュアの特大フィギュアが置かれていたのですが、新しいテナントの広さの都合もあってか失われてしまいました。悲しみの雨が大阪の街を濡らしたのは言うまでもありません。

*4:映画公開初日の舞台挨拶の声優さんの衣装については、「『映画プリキュアドリームスターズ!』初日舞台挨拶レポ | アニメイトタイムズ」の記事を是非参照してみて下さい。心温まるエピソードも掲載されています。

*5:キュアジェラートの姿を見ていると、勇気凛々直球勝負をモットーとしていたスマイルプリキュアキュアマーチを思い浮かべてしまうのは自分だけでしょうか。否、違うはずです。今回、村中知さんの演技を直で見て、キュアジェラートの純真さをさらに実感しました。