たぶん大丈夫なブログ

ちょっとした考察や雑感を述べていきます。

地理

誤用される「焼畑農業」 ――Twitterの言説を中心に

はじめに 「焼畑農業」を誤用した言説が巷に溢れている。そのような言説は、主に2種類に大別できる。 一つは、焼畑農業を環境破壊的な農法だと誤解した上で、焼畑農業の是非についてや、森林火災など他の環境問題に絡めて論じる言説。 もう一つは、焼畑農業…

「崖」のイメージ――90年代J-POPのPV、内水融の少年ジャンプ漫画、船越英一郎の2時間ドラマ

はじめに 90年代J-POPのPV。 週刊少年ジャンプの漫画。 船越英一郎の2時間サスペンスドラマ。一見したところ、何の関係性も感じられない三者。だが実は「崖」という共通項が導き出せる。 この記事では、PV、漫画、ドラマの舞台となる崖について見ていくこと…

川とのふれあい ――記憶の源流から河口まで

自分の人生を振り返ると、傍らに川が流れていた。 川とのふれあいについて、記憶の源流から河口まで辿ってみたい。 目次 隅田川 鶴見川 手城川・芦田川 猪名川・箕面川・千里川 太田川

ASKA「東京」で歌われるトポフィリア ――「第二の故郷」のイメージ

2018年11月、シンフォニックコンサートツアーという形でライブ活動を再開したASKA。 前年の2017年にはアルバムを2枚リリース。その最初のアルバム「Too Many People」に収録されている「東京」という楽曲を取り上げることで、ASKAは「第二の故郷」としての東…

ニュータウン探訪① 「茨木台ニュータウン(見立区・雁松区)」

今回は、関西地方に数多く存在するニュータウンの中でも一際異彩を放っている「茨木台ニュータウン」(以降、茨木台で統一)*1について取り上げてみたい。 (写真1)「雁松区住宅地(鎌倉台)」から見上げた「見立南区(茨木台)」の景色。山の斜面に切り開かれたニ…

再訪「石澄滝」 ――新たな知見と共に

以前(2015年秋)、大阪府池田市と箕面市の間を流れる石澄川、その上流に位置する石澄滝(いしずみたき)についての記事を執筆したことがある。今回(2016年晩秋)、再度石澄滝を訪れる機会があり、新たな知見を得てきたのでここに紹介したい。 「一心寺」と…

東西南北をどうやって把握するか? ――自然のランドマークを用いた場合

「東西南北をどうやって把握するか?」そう聞かれたら何と答えるだろうか。コンパス(方位磁針)を用いる、地図を参照しながら現在地点と照らし合わせる、太陽の出ている方角(影の伸びる方向)と時刻から導くなど、色々な答えがあるだろう。その中でも今回は、…

「ジョジョ地理問題」から見る大学入試

今ではほとぼりが冷めたようですが、国士舘大学で出されたジョジョの奇妙な冒険に関連する地理の入試問題が、一時期ネットで話題となっていました。 Twitterや各まとめブログだけでなく、ねとらぼの記事やライブドアニュースの記事でも取り上げられていまし…

飛び地探訪② 「大阪国際空港(伊丹空港)」

飛び地を語る上では欠かせない、複雑怪奇な境界の宝庫、大阪国際空港(別名、伊丹空港)が満を持して登場(写真1)。 (写真1)伊丹空港を東側から撮影。モノレール駅やバス停も見える。なお、本記事では以降、大阪国際空港を伊丹空港の名称で統一する。

秘境「石澄の滝」探訪②

※前回の記事(秘境「石澄の滝」探訪①)の続きです(一ヶ月以上更新が途絶えてしまっていましたが……)。とはいえ、前の記事を読まなくてもたぶん大丈夫です(ブログタイトル回収)。 前の記事で考察を深めた「一心寺の廃屋」を通り過ぎると見えてきたのは……崩れかか…

秘境「石澄の滝」探訪①

箕面の滝。大阪府の数ある名勝の中でも、自然の雄大さというポイントではここが随一だろう(写真1)。 (写真1)箕面の滝の写真。今回の記事とは直接的には関係ないが、参考ということで。 その西隣に、あまり知られていない滝が存在する。その名は「石澄の滝(い…

飛び地探訪① 「豊中市 石橋麻田町」

飛び地、それはフロンティア。 この記事のシリーズでは、日常にさり気なく潜む飛び地について紹介したい。 ここで言う飛び地とは、異なる地方自治体によって周囲が包囲されている場所を示す。そこは自治体の境界線が引かれており、ちょっとした非日常的雰囲…