たぶん大丈夫なブログ

ちょっとした考察や雑感を述べていきます。

ニュータウン探訪① 「茨木台ニュータウン(見立区・雁松区)」

今回は、関西地方に数多く存在するニュータウンの中でも一際異彩を放っている「茨木台ニュータウン(以降、茨木台で統一)*1について取り上げてみたい。



(写真1)「雁松区住宅地(鎌倉台)」から見上げた「見立南区(茨木台)」の景色。山の斜面に切り開かれたニュータウンであることが分かる。本記事を読み進める際の参考イメージとして。なお、本記事で紹介する写真は全て筆者によって撮影したものである。

*1:住民の立場としては、茨木台よりも「見立区」の呼称の方が一般的なようである。「http://yumegendachi.net/」のホームページ、「http://yumegendachi.net/kanri.shtml」の「見立区の地図を掲載しました(2008.6.1)」によると、茨木台という呼称は既に死語だと記載されている。

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再訪「石澄滝」 ――新たな知見と共に

以前(2015年秋)、大阪府池田市箕面市の間を流れる石澄川、その上流に位置する石澄滝(いしずみたき)についての記事を執筆したことがある。

今回(2016年晩秋)、再度石澄滝を訪れる機会があり、新たな知見を得てきたのでここに紹介したい。
「一心寺」とは? 道中いくつも存在する廃屋は何だったのか? 「白瀧大神」とは? 「平田龍昇」師とは? 前回は明らかに出来なかった数々の謎に対して、現時点での答えを示す。


※以前書いた二本の記事(秘境「石澄の滝」探訪①秘境「石澄の滝」探訪②)は読まなくても本記事の概要は分かりますが、前述の記事の内容を把握した上で読み進めるとより楽しめるかもしれません。



目次


  • 石澄滝の概要
  • 白瀧大神と平田龍昇師之碑
  • 丸太橋
  • 謎の石碑と石柱
  • 一心寺
  • 迂回路とショートカット
  • 二つ目の廃屋
  • 三つ目の廃屋
    • 祠と石仏
  • 石澄滝



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東西南北をどうやって把握するか? ――自然のランドマークを用いた場合

「東西南北をどうやって把握するか?」

そう聞かれたら何と答えるだろうか。

コンパス(方位磁針)を用いる、地図を参照しながら現在地点と照らし合わせる、太陽の出ている方角(影の伸びる方向)と時刻から導くなど、色々な答えがあるだろう。

その中でも今回は、自然のランドマーク(目印)に依拠して東西南北を把握することについて雑感を述べたい。


自然のランドマークとはどのようなものか? ここでは単純に、山地や平地、河川、湖沼、海といった地物を指すことにする。

それら自然のランドマークに依拠して東西南北を把握するとはどういうことか?  例えば、山がある方角は北、海がある方角は南、という認知の仕方がそうだろう。あるランドマークの位置する方向が、特定の方角を示すものだとして認知するということである。

このような東西南北の把握方法は、その人が住んでいる/住んでいた場所によって左右されるのではないか。最近、そんなことを考えている。


ここで自分の例を取り上げてみたい。自分は10年以上、瀬戸内海に面した山陽地方の某市に住んでいた(図1)。



(図1)瀬戸内海に面した山陽地方三原市から岡山市にかけての一帯。画像はGoogleEarthから取得。


(図1)を見てみると、広島県尾道市福山市岡山県笠岡市倉敷市といった沿岸部の各都市は、概ね北部に山地、南部に海、その間に平地が位置しているのが分かる。

このような地理的環境に囲まれて育ったせいか、いつしか自分の立つ地点が平地にあるとすると、山地がある方角は北、海がある方角は南という方角認識が身についていた。

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「ジョジョ地理問題」から見る大学入試

今ではほとぼりが冷めたようですが、国士舘大学で出されたジョジョの奇妙な冒険に関連する地理の入試問題が、一時期ネットで話題となっていました。
Twitterや各まとめブログだけでなく、ねとらぼの記事ライブドアニュースの記事でも取り上げられていました。それだけ有名漫画を題材とした出題は注目を集めやすいということなのでしょう。



(画像1)ジョジョ第3部。下記のねとらぼの記事より引用。
ジョジョの奇妙な冒険シリーズを通して読んだことがないので、漫画の文脈等を織り交ぜた方向で今回の地理の問題を語ることができないのは残念。


大半のツイートやウェブサイトの記事では問題の面白さや奇抜さに焦点を当てて、それに終始していたように見受けられるのですが、上記のねとらぼやライブドアニュースの記事では国士舘大学の広報課に取材し、出題意図も掘り下げていました。ここではライブドアニュースの記述を引用してみます。

「上記のとおり、出題内容へのスムースな導入が第一の目的ですが、地理という科目は、我々の日常生活と結びついており、身の回りの色々なところに地理的なものは転がっているのだということを、多くの人に知ってほしいという意図もあります。また、あまり知られていないかもしれませんが、人文主義地理学といって、小説や映画(もちろん漫画やアニメも)といった作品の中に、さまざまな場所や風景(例えば都市や国が)がどのように表現されているかを読み解くことで、その土地や風景の意味(人間にとっての場所・地域)を明らかにしようとする分野があり、この出題のような観点もまぎれもなく地理学の一部なのです」


この言葉に、今回の問題の出題意図が凝縮されています。
地理学というと、国や県や都市の名前と位置を覚えて、その地域の産業や気候を覚えて、そして……とひたすら暗記する科目のように思われがちですが(そして高校までの地理でそういう側面があることは否めませんが)、実際はもっと身近で密接的な存在です。そこまで肩肘張らなくてもいい科目なのです。様々な手段で情報が手に入る現在、情報を見つけ出す際の引き出しを築くという意味である程度の地理的知識は必要であるものの、そうした知識(地理行列)を何から何まで暗記しなければならないということはありません。むしろ、ある程度知識を蓄えた後は自身の力で問題を解決していくことが必要になってくるでしょう。今回の問題では、ジョジョ第3部がそのきっかけであったということです。


……と、ここまでは他のウェブサイトでも指摘されているかもしれない内容でした。以下の文章では、このジョジョ地理問題についてもう少し深く切り込んでみたいと思います。

具体的には、ジョジョ地理問題の作成者・出題意図について知るということです。
出題意図については上記の引用で述べられていたので、ここでは問題作成者の方を掘り下げていきましょう。

一般的な話として、大学入試を上手くこなすためには過去問対策や模試も大切ですが、特に二次試験において何より大切なのは、
大学の先生方の専門分野を知ることです。

今回の例で言うと、細分化された様々な分野がある地理学の中でも、国士舘大学広報課の方が述べられていた人文主義地理学」が出題のポイントでした。
この人文主義地理学というキーワードに注意しながら論を進めていきます。

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飛び地探訪② 「大阪国際空港(伊丹空港)」

飛び地を語る上では欠かせない、複雑怪奇な境界の宝庫、大阪国際空港(別名、伊丹空港)が満を持して登場(写真1)。


(写真1)伊丹空港を東側から撮影。モノレール駅やバス停も見える。なお、本記事では以降、大阪国際空港伊丹空港の名称で統一する。

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知らずのイラストレーター ―オーネットの巫女キャラ、赤井結の場合―

まずはこの画像を見てほしい(画像1)。


(画像1)婚活サイトオーネットの巫女キャラ、赤井結ちゃんのプロフィール。

可愛い巫女さんだ。どこかで見かけたことがあるという人もいるかもしれない。
そう、このキャラクターは結婚相談所「楽天オーネット」のキャラクター、巫女の赤井結ちゃんだ。
特技は料理、年齢は秘密。詳しいプロフィールはそれだけである。だが、それがいい。下手に設定を凝ると想像の余地を狭めてしまう。この中途半端さが好きだ。

ネット記事としても取り上げられたりする(萌え系と評判!結婚相談所オーネットに婚活キャラ登場 婚活ニュース参照)など、婚活サイトの萌えキャラとして注目を集めてきた。ツイッターも開設しており(赤井結 (@AkaiYui) / Twitter参照)、巫女姿の可愛らしいイラストも織り交ぜながら時折呟いている(ただ、2015年7月15日を境に更新は止まっている……悲しい限りである)。

ネットサーフィンをしている際にその魅力に取り付かれてしまい、以後結ちゃんの広告画像をパソコンに逐一保存している。フォルダ内の画像も50枚近くを数えるまでになった。これから少し、結ちゃんの魅力を画像を交えて紹介していきたい(これから紹介する画像はバナー広告そのままだが、クリックしても別サイトへ移ることは無いのでご安心を)。

完全に余談だが、以下紹介する画像は全てバナー広告で表示された画像を取り込んだものである。そのため引用先を明記できないのである……。インターネット上の情報を引用する際のマナーはかなり整備されてきたのだろうが、こうしたバナー広告の引用方法についてはまだ手法が確立されていないようだ。

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プリキュア尽くしのルポルタージュ

今日、2015年12月6日(日)はプリキュア尽くしだった。

一つ目は、朝8時30分開始のアニメプリキュア本放送。

二つ目は、昼に観に行った劇場版プリキュア

三つ目は、プリキュアプリティストア大阪本店で開催されたきららちゃんのサイン会。

導入に余計な言葉はいらない。早速順を追って述べていこう。
キュアトゥインクル「お覚悟はよろしくて?」
(上記の言葉が余計だと言われたらその通りだと返すしかないですね……。)

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秘境「石澄の滝」探訪②

前回の記事(秘境「石澄の滝」探訪①)の続きです(一ヶ月以上更新が途絶えてしまっていましたが……)。とはいえ、前の記事を読まなくてもたぶん大丈夫です(ブログタイトル回収)。


前の記事で考察を深めた「一心寺の廃屋」を通り過ぎると見えてきたのは……崩れかかった山の斜面だった(写真1)。


(写真1)崩れかかった山の斜面。

ポロポロと砂と小石が混ざった土がこぼれ落ちてくる。落石が怖い。足場も滑りやすくなっているので出来るだけ急いで進む。花崗岩だろうか。ちゃんと観察すれば良かったが、危なかったので仕方ない。

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秘境「石澄の滝」探訪①

箕面の滝大阪府の数ある名勝の中でも、自然の雄大さというポイントではここが随一だろう(写真1)。


(写真1)箕面の滝の写真。今回の記事とは直接的には関係ないが、参考ということで。


その西隣に、あまり知られていない滝が存在する。その名は「石澄の滝(いしずみのたき)」。「石澄滝(いしずみたき)」とも言うらしい。

名勝として知られる箕面の滝を今年(2015年)の1月に見に行った後で、石澄の滝というマイナーな滝の存在を知った。箕面の滝と比べて、人の姿はほとんど見られない(らしい)。滝までの道も荒廃している(らしい)。とはいえ、まさか見に行けないほどではないだろう。箕面の滝を見に行った際、ついでに近くの箕面山三国峠、はたまた六個山まで登ろうとしたことがあり、石澄の滝の道中もそんな感じだろうと思ったのだ(結局、六個山までは遠すぎて行けず、日が暮れかかる下山中は完全に遭難者の気分だった)。箕面山の雰囲気そのままで石澄の滝を把握していた。

だが現実は違った。結論から言うと、石澄の滝の険しさ、過酷さはそれらの山々の段違いだった。久しく管理されず荒れ果てた山道。そして、それにまつわる奇妙な石碑、廃屋の謎。
そんなこともつゆ知らず、2015年9月18日(金)、石澄の滝へ足を運んだ。



※この記事では、一番の目的である石澄の滝は登場しません。次の記事「秘境「石澄の滝」探訪②」で取り扱おうと思っています。また、記事の最後でオカルト系・怖い話系の内容が出てきます。ご注意を。


※この記事の続きとして、「再訪「石澄滝」 ――新たな知見と共に」を執筆しました。本記事では解明されなかった謎の数々に一定の答えを示しています。興味があればこちらも是非。

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飛び地探訪① 「豊中市 石橋麻田町」

飛び地、それはフロンティア。


この記事のシリーズでは、日常にさり気なく潜む飛び地について紹介したい。
ここで言う飛び地とは、異なる地方自治体によって周囲が包囲されている場所を示す。そこは自治体の境界線が引かれており、ちょっとした非日常的雰囲気に誘ってくれる場所でもある。日本の場合は国境が接している土地がないため(厳密には南樺太はどうなのかとか屁理屈はこねられるが)、飛び地が存在しうるのは必然的に都道府県レベルや市町村レベルとなる。

某国立大学が位置する大阪府豊中市には幾つかの飛び地が存在するが、この記事では大阪府池田市箕面市に囲まれた豊中市 石橋麻田町」を紹介しよう。


豊中市石橋麻田町とは一体どこにあるのか。
大阪府の北に位置する豊中市は南北方向に伸びているが、その北西端に位置している(図1)。


(図1)豊中市石橋麻田町の位置。大阪平野北部、北摂地域にある。


せっかくなので市の境界線が明瞭な地図も載せておこう(写真1)。


(写真1)豊中市石橋麻田町の飛び地具合。「豊中市街地図」より。


大阪大学豊中キャンパスや待兼山のほんの少し北に、石橋麻田町が存在するのだ。確かに(写真1)の地図で見てみると、南に見える豊中市とはギリギリ切り離されていることが分かる。

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はじめまして

はじめまして、坂津です。

 

このブログでは、ちょっとした考察や雑記をまとめていきます。具体的には、飛び地や県境といった地理にまつわるあれこれ、サブカルチャー、1980~2000年代の日本の音楽などのトピックになるかと。

 

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